味のいどばた
飛騨高山の郷土調味料「朴の葉味噌」
飛騨高山の郷土調味料「朴の葉味噌」
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2024/12/20  06:11
Wataru Wakame

朴の葉味噌とは枯れた朴葉の上に、麹味噌を乗せて焼いた岐阜県飛騨の郷土調味料。
その美味しさの秘密を飛騨の歴史から探ります。

朴葉みその地元、岐阜県高山市

 「朴葉みそ」の地元である岐阜県高山市は飛騨山脈の西側に位置し、かつて飛騨国の中心として国分寺がありました。豊かな森林資源を持つ飛騨の経済は林業に依存し、大化の改新後、優れた大工たちを派遣して納税していました。

朴葉みその地元、岐阜県高山市
朴葉みその地元、岐阜県高山市
朴葉みその地元、岐阜県高山市

朴葉みそ の歴史

朴葉みそ の歴史

 そんな林業が盛んだった飛騨地域の郷土料理「朴葉みそ」は、材木の伐採など山仕事をしていた杣人(そまびと)たちが、朴葉を皿代わりにして椎茸や肉と共に焼き味噌を作ったのが起源とされています。
 家庭でも厳しい冬、囲炉裏の火で漬物や味噌を温めて食べることにも使われたりもしてきました。
 なお朴葉は抗菌作用があり、食材を包むことで風味が増し、保存性も高まります。ご飯や酒の肴にぴったりで、昭和40年代には土産物として広まりました。近年では飛騨牛を用いたものなど、多彩なアレンジも楽しめます。

日下部醤油「朴葉みそ」の特徴

日下部醤油「朴葉みそ」の特徴

 朴葉と味噌の香ばしい香りが食材に移り、食欲をそそる朴葉みそは、酒粕と水飴も入った甘口の麹味噌です。これにネギを混ぜ込み、椎茸やお肉を乗せて焼き込むと朴葉の風味も混じりとても良い香りに。さらにニンニクや生姜、チーズなどオリジナルアレンジも楽しめます。
 ご家庭ではホットプレートに朴葉を敷いて調理するのがおすすめ。焼肉のアレンジに朴葉を使うとホットプレートが汚れないメリットも。イカ焼きなどお酒のおつまみにも、ご飯のお供にもなるおいしい味噌焼き料理になりますよ。

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